周南市大道理の芝桜 一度行ったらまた行きたくなる一面に広がる芝桜

4月に入り、陽気もだいぶ春らしくなり、初夏の雰囲気さえ感じられるようになってきました。
この季節は、沢山の花が咲く良い季節でもあります。春の代表的なお花、といえば思いつくのは「桜」だと思いますが、桜と同じころに咲く「芝桜(しばざくら)」をご存知ですか?
山口県南東に位置する周南市の、北部にある大道理(おおどうり)鹿野地(かのじ)には、毎年多くの人が訪れる人気のフラワースポットがあります。
主役は、そう、「芝桜」です。
地域おこしで始まったプロジェクト
ここ大道理地区の自慢のひとつが、「やまぐちの棚田20選」に選ばれたこともある棚田です。
その棚田を利用し、地域おこしの一環として2011年から、棚田のあぜ道や斜面に芝桜を植え始めました。
「大道理地域百笑倶楽部」の方や地域住民の皆さんの協力によって、年々芝桜が見られる範囲が増えており、毎年行っても新たな感動を感じることができます。
今では、約1万平方メートルの敷地に約10万本の、白、ピンク、赤や紫など、多様な色の芝桜で楽しませてくれています。
4月に開催される「芝桜まつり」は、知る人ぞ知るイベントとなっており、毎年訪れるリピーターも少なくはありません。
ここまで作り上げるのには、相当のご苦労があったと察します。会場の一角には、これまでの開拓の様子がパネル展示してありますので、是非ご覧になってください。
また、大道理地区では他にも、写真教室やフラワーアレンジメント教室の開催など、様々な取り組みが行われています。
芝桜ってどんなお花?
芝桜は、4月から5月にかけて咲く多年草です。肥料をあまり必要とせず、乾燥や病気にも強い植物です。花は小さく、手の指の先ほどの大きさですが、群生すると絨毯のようになりとても美しいです。
芝のように地を這って成長していき、密になると雑草が生育しにくくなるので、雑草対策として、あぜ道などに植えられることも珍しくありません。
一面にお花のじゅうたんが広がる
駐車場は、会場から徒歩5分ほどの場所にあります。芝桜の見頃の時期には、駐車場は満車状態になることもしばしばですので、午前中の早い時間帯が狙い目です。
会場入り口手前にある看板には、現在の開花状況が表示されています。前回訪れたときには早すぎて、満開とは程遠かったのですが、今回はなんと9分咲きということで、期待が高鳴ります!
会場入り口では、緑化協力金(寄付)として200円払うと、シーズン中(その年のみ)何度でも入場できるパスカードがもらえます。
入口付近には大きなこいのぼりが泳いでいて、そのこいのぼりを引き立てている、鮮やかな芝桜が出迎えてくれました。
それでは、道順が示された看板に沿って進んで行きましょう。
棚田、というだけあって、やはり坂道を登っていくことにはなります。舗装された道路ですが、敷地の奥の方まで行くと結構距離があるので、よい運動になります。
この日はお天気も良く気温もグングン上がり、途中から汗が出てきました。日傘を用意しておくとよいかもしれません。
棚田の斜面に「絆(きずな)」という文字が見えますが、文字の部分の白い芝桜はまだ幼いようです。来年には、くっきりと文字を形作ってくれるのでしょうか、楽しみです。
奥の方へ進むと、「かのじ」という文字も見えてきました。芝桜で描く文字は、地域の皆さんの団結力が示されているようで、グッときます。
棚田の上の方からは小川が流れており、上流には4連の水車がくるくると回っています。以前にはなかった、下流の方にも水車が登場していて景色になじんでいました。
会場の奥に向かって右手の方には、何やら建設途中の建物が見えました。ログハウスでしょうか、こちらに何ができるのか、とても楽しみです。
展望台へ登ってみよう
会場の入り口付近に展望所がありますが、コースの終盤辺りにも、もっと高い位置から会場を見渡せるスポットがあります。
こちらにもテーブルや椅子が設置してあり、なぜだか鐘もありましたのでとりあえず鳴らしてみると、とっても大きな音が集落全体に響き渡りました。
展望所は、芝桜の景色が一望できるとっても見晴らしの良いスポットなので、登ってみる価値は大いにありますが、展望所への道は、歩きやすいよう工夫がされていますが、細い山道ですので気を付けて昇り降りしてください。
この日は、田んぼに水は張っていませんでしたが、水面に映る芝桜の景色は、さらに素晴らしいのだろうなと想像できます。
売店も色々あります
会場には、所々に軽食がとれるお店があるので、軽くお昼ご飯を食べて、じっくりと散策を楽しむのもいいでしょう。
私のおすすめは、「さくら餅ソフトクリーム」と「桜大福」です。
コース終盤にある「里山カフェ」で楽しめる「さくら餅ソフトクリーム」の中には、小さなつぶつぶとしたお餅が入っていて、面白い食感が楽しめます。この日は暑かったので、ひんやりとしたソフトクリームが絶妙な美味しさでした。
里山カフェでは展望デッキで飲食ができ、棚田に広がる芝桜やチューリップなどを眺められる、おすすめのスポットでもあります。
売店で販売している「桜大福」はとてもやわらかく、ほのかな桜の香りのするあんがしっとりと春を感じさせます。お土産に買って帰ると喜ばれると思います。
小さな心遣いがうれしい
会場に来ると、なぜだか暖かい気持ちになれるのは、このプロジェクトに携わっていらっしゃる会場の方々の笑顔の他に、沢山の心遣いが垣間見えるからかもしれません。
足腰が悪い方でも楽しめるようにと用意された、無料の車いすや杖。この杖は、もしかしてゴルフクラブを再利用?素晴らしいアイデアです。
他にも、要所要所にベンチや簡易トイレが設置してあり、来る人皆に気持ちよく楽しんでもらおうという心遣いが感じられます。
こういった雰囲気もまた、リピーターが増える要因になっているのではないかな、と思います。
まとめ
大道理地区鹿野地の芝桜は、毎年4月中旬頃に見頃を迎え、合わせて「芝桜まつり」が開催されます。
花の開花というのは気候に左右されます。なかなかタイミングを計るのは難しいので、「大道理ブランドサイト」のブログで開花状況を確認してみましょう。
パスカードを利用すれば何度でも入場可能なので、何度か訪れて徐々に咲き誇っていく様子を見てみるのも楽しいかもしれません。
地域の皆さんの団結力によって、毎年グレードアップしていく芝桜の景色は圧巻です。タイミングが良ければ、桜やチューリップ、菜の花とのコラボレーションも楽しめます。
この春のお花見には、可愛らしい芝桜を楽しんでみてはいかがでしょうか。
【基本情報】
名称:大道理芝桜(おおどうりしばざくら)まつり
住所:〒745-0242 周南市大字大道理字鹿野地
開催期間:2019年4月1日(月)~4月30日(火)
料金:緑化協力金(寄付)として200円(子供・身障者は不要)
駐車場:無料
問い合わせ:0834-88-1830(大道理夢求の里交流館)
大道理ブランドサイト:http://shunan-odori.jp/