周南市鹿野の散策スポット「清流通り」でのんびり紅葉狩り

山口県の北東部に位置する周南市鹿野は、錦川の源流が流れ、緑豊かな山々に囲まれており、のんびりとした雰囲気を持つ地域です。

周南市鹿野には、自然の恵みを生かしたキャンプ場や温泉、特産品、文化財などといった様々な魅力があり、桜祭りやほたる祭り、冬の花火大会など、一年を通して楽しめる数々のイベントも開催されます。

花であふれる春や、赤く色づく秋、雪をかぶる冬、どの季節に訪れても、美しい景色が楽しめますが、今回は、気軽にのんびりと紅葉狩りしながら散策できるスポット「清流通り」(せいりゅうどおり)をご紹介します。

 

鹿野に清流通りが生まれた理由

鹿野地域には、各所に水路が巡っていて、漢陽寺から鹿野総合支所までの約600mの通りを「清流通り」(せいりゅうどおり)と呼んでいます。

鹿野の中心部は台地状になっていて、川が低地にあるため水利に恵まれておらず、昔の人々は水を汲みに、遠くまで行く不便を強いられていました。

そこで、江戸時代の慶安4年(1651年)、錦川の支流である渋川(しぶかわ)から水を引き、漢陽寺の裏山に、水の通るトンネルを掘る工事に着手しました。

工事は、承応3年(1654年)に完成。取水口(しゅすいこう)から洞入り口までの長さ約270m、洞の長さ約89mにも及ぶものでした。

この洞は、「潮音洞」(ちょうおんどう)と呼ばれ、地元の人々に長く語り継がれています。

平成6年(1994年)には、地域の活性化、観光整備を目指した事業により、漢陽寺から総合支所までの導水路やその周辺が整備され、「清流通り」が生まれました。

通り沿いには、池や水車、花や樹木などが丁寧に配置されていて、春は桜、秋は紅葉といった景色を楽しむことができます。

清流通りは、平成20年(2008年)に「平成の名水百選」にも選ばれ、今ではひそかな観光スポットとして、人気が高まりつつあります。

 

清流通りを散策しよう

清流通りは一本道なのですが、行きと帰りでは、また違った景色を見ることができるので、楽しい往復の散策になるはずです。

今回は、鹿野総合支所の駐車場北側の道路を北上していき、漢陽寺で折り返してくるルートを紹介します。

岩崎想左衛門の像

駐車場の東側には、岩崎想左衛門(いわさきそうざえもん)の像が立てられています。

岩崎想左衛門は、水に苦労する人々を見かね、藩の許可を得て、自費で、先の潮音洞の掘削工事を開始しました。

完成した水路は、鹿野の土地を潤し、水田の開作や、生活用水に利用され、人々の生活を豊かなものにしました。

弾正糸桜

駐車場から少し北上すると、右手の歩道脇に大きな「しだれ桜」が見えてきます。

推定樹齢300年、目通り(地上から1.2mの高さの幹の太さ)2.7m、高さ約8mにもなる、県内一の大きさを誇る「弾正糸桜」(だんしょういとざくら)です。

春には、この美しい桜を見ようと多くの人が訪れる、花見スポットにもなっています。

龍雲寺

応永15年(1408年)に創建された龍雲寺(りゅううんじ)には、龍をイメージして作られた庭園や、知恵を授かる文殊堂などがあります。

境内には、ケヤキや菩提樹、ナツツバキなどのほか、マンサクやマルバヒイラギなど、珍しい樹木も植樹されています。

池の上の花壇

龍雲寺を過ぎると、左手に長方形の池があり、池の中には、大きな丸い鉢が並んでいます。

ここに植えられているのは、「フジバカマ」(藤袴)という植物で、10月頃になると、この花を目当てに「アサギマダラ」という蝶が集まってきます。

フジバカマの蜜には、オスがメスを引き付けるための、フェロモンの生成に必要な物質が含まれているそうで、アサギマダラは、その花の蜜を目当てにやってくるのだとか。

このアサギマダラは、「海を渡る蝶」や、「旅をする蝶」と呼ばれていて、その名の通り、季節によって海の上を飛んで、移動する蝶なのです。

暖かい時期には、本州などの涼しい高原地帯に生息していますが、秋になり気温が下がり始めると、南下。九州や沖縄、遠くは台湾まで飛んでいく個体もいるそうです。

 

二所山田神社

フジバカマの池を超えて進むと、大木に覆われ、しっとりとした雰囲気の二所山田神社(にしょやまだじんじゃ)が現れます。

入り口にそびえ立つ、大きな銀杏の木から葉が落ちる頃には、辺り一面が黄色のじゅうたんになるそうです。

清流通りからはずれ、南へ伸びる道へ下ると、なんとも愛嬌のある狛犬(こまいぬ)がいるので、ぜひご覧になってください。

また、当神社が設立した会社「女子道社」では、機関誌「女子道」の発刊の資金源として、おみくじを製造、全国各地へ発送しており、その生産量はシェア70%を誇ります。

他県の神社で手にするおみくじは、もしかすると、山口県産かもしれませんね。

 

水車小屋

二所山田神社を過ぎると、風情のあるアーチ状の橋が架かる池があり、水車が賑やかな水音を立てています。

水車小屋の内部には、動力を利用して、粉を挽けるような仕掛けになっているようです。ぜひご覧になってください。

 

漢陽寺

応安7年(1374年)に創建された漢陽寺(かんようじ)には、昭和を代表する庭園家の故重森三玲氏によって設計、指導のもと作られた庭園が、本堂や書院を囲むように配置されています。

本堂裏手にある「潮音洞」(ちょうおんどう)から流れる水を、各庭園へ流し、その清らかな流れと、四季折々の景色を楽しむことができます。

大きな山門をくぐり右手奥へと進むと、受付があり、拝観料を払うと、その素晴らしい中庭を見て回ることができます。

散策の折り返し地点、漢陽寺では、ぜひ時間をとって、ゆっくりと観覧していただきたいです。

庭園の一部を、ちょっとご紹介しましょう。

 

本堂の目の前にある「曲水の庭」(きょくすいのにわ)は、平安時代から鎌倉時代にかけて流行した様式の「曲水」を中心に、枯山水形式を融合させた庭です。

 

大きな岩がサークル上に並び、シンプルだけど動的な印象のある、平安時代様式の「地蔵遊化の庭」(じぞうゆうげのにわ)。

 

苔むした小山に石組みがされている、鎌倉時代様式の「蓬莱山池庭」(ほうらいさんいけにわ)。

 

そして、紅葉の時期にいちおしなのが、「九山八海の庭」(くせんはっかいのにわ)です。

鎌倉時代の様式で、コイの泳ぐ池の上に紅葉が覆いかぶさり、その色づき具合が素晴らしく、訪れた観光客の皆さんが、感嘆の声をあげていらっしゃいました。

 

山口県指定文化財になっている「潮音洞」(ちょうおんどう)は、本堂の裏手にあります。

 

(漢陽寺側から見た清流通り)

 

春の季節の散策もおすすめ

清流通りは、今回のような秋の紅葉の時期も、とても見ごたえのある散策コースなのですが、桜の咲くタイミングで訪れるのもおすすめです。

この季節には、可愛らしい山野草を見ることができ、ガイドさんと巡るツアーがあるので、参加してみるとよいかもしれません。

このツアーでは、清流通りの山野草と、山野草で埋め尽くされた山「山野草のエキ」で、花の名前や豆知識などが得られるので、充実した一日になるはずです。

 

まとめ

水の流れる音を聞きながら、のんびりと散策できるスポット、周南市鹿野の清流通りをご紹介しました。

水利に恵まれず、苦労をしていた人々の並々ならぬ努力により、鹿野の大地は潤い、そのおかげで、現代の私たちは、こうして美しい景色を楽しむことができている、と思うと、感慨深いです。

花の咲く春、赤く色づく秋、緑一色になる夏、雪をかぶる冬と、様々な表情を見せる散策スポット「清流通り」へ、ぜひお越しください。

 

 

周南市鹿野 清流通り 基本情報

名称:龍雲寺
住所:〒745-0302 山口県周南市鹿野上3272
電話:0834-68-2132

名称:二所山田神社
住所:〒745-0302 山口県周南市鹿野上2894
電話:0834-68-3860

名称:漢陽寺
住所:〒745-0302 山口県周南市鹿野上2872
電話:0834-68-2010
庭園拝観料:400円(中学生以下無料)
受付時間:9:00~16:00
駐車場:約20台(無料)

名称:鹿野総合支所
住所:〒745-0302 山口県周南市鹿野上3277
電話:0834-68-2331

トイレ情報:清流通りに2か所あります。鹿野総合支所駐車場・水車小屋前の道路を挟んで、向かい側の広場。

 




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