山口県で海水浴の際に気をつけるべきこと7選

楽しい海水浴にする為に

今年も楽しい夏がやってきます。

この時期のレジャーといったらやはり海水浴ですよね。特に山口県は、3方を海で開かれ、まさに海に恵まれた県であり、毎年県外からも多くの海水浴客が訪れます。

沢山いっぱい泳ぐぞー!と張り切っている方も多いでしょう。

しかし、自然の中で遊ぶのですから、思ってもみないことが起こる可能性があり、注意が必要です。海には危険なことや、気を付けなければならないことが沢山あります。

最悪の場合、命に関わることだってあるのです。

海で遊ぶときに気を付けるべきことをまとめてみました。

ぜひ参考にしてくださいね。

 

目に見えない危険「離岸流」



※音声が出ます。ご注意ください。

皆さんは、「離岸流」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

離岸流とは、次々に打ち寄せられた海水が逃げ場を失い、局所的に沖へと戻る、川の流れのような海流で、その流れの速さは毎秒2mほどもあります。

この速さは、オリンピック選手でも、その流れに逆らって泳ぐことが困難なほどの速さです。

毎年、この離岸流が原因とされる水難事故が各地で起こっていて、山口県も例外ではありません。

事実、山口県内の海水浴場で、離岸流によって流され、亡くなるという事故も起こっています。

離岸流の幅は10m~30mほど、沖合までの長さは数十メートル~数百メートルに及ぶこともあり、発生しやすい場所としては、遠浅で海岸線が長い場所や、突堤の脇、防波堤の付近などで、海底の深さ、湾などの地形、波の向きや高さによっても変わってきます。

浜辺へ打ち寄せられた波は、一旦岸と平行に流れて離岸流の流れへと入って行きます。

目の前にあったビーチボールが、いつのまにか横へ平行に移動しているような場合、その先に離岸流がある可能性が高いですので注意してください。

 

もしも離岸流に流されてしまったら、対処法

まずは、慌てず落ち着くことが大事です。

離岸流に逆らって泳いでも、体力を消耗するだけなので、絶対に岸へ向かって泳いではいけません。

岸と平行に泳いでいけば、そのうち離岸流の幅から抜け出せるので、流れが治まったら岸へと泳ぎだしましょう。

さらに、離岸流よりもっと怖いのが「戻り流れ」です。

その流れの速さは離岸流の約3倍。

これは、海岸の水深が急に深くなっている場所で起こる現象で、急斜面にぶつかって出来た高い波が砂浜へ向かって打ち寄せ、波と波が重なった部分に、強い引きの波が生まれることによって生じます。

戻り流れの中にいると、大の大人でも立っていられないくらいの急流になります。

砂浜で砂遊びをしている子供たちも危険です。

遊泳していないからといって、油断は禁物なのです。

山口県には、監視員さんのいないビーチもあるので、特に注意が必要です。

 

海に潜む危険な生物

水族館へ行くと、きれいな魚など海の生き物たちをガラス越しに見ることができますが、実際に目の前にいた場合、その生物はもしかしたら超危険生物かもしれません。

危険な毒を持っている海の生き物をいくつか紹介します。

オコゼ


出典元:築地場外市場

お刺身やから揚げなどで食べると、とっても美味しいオコゼという魚。

実は背びれに毒をもっている危険生物で、釣りなどで釣り上げた時にも注意が必要です。

背びれが刺さると、激痛が走り、患部が腫れます。

吐き気や呼吸困難、重症の場合は意識障害などを引き起こします。

クラゲ


出典元:京都水族館

日本中に生息するクラゲ。(私の地元では「イラ」ですがw)

その長い触手には強い毒があり、刺された部分はミミズ腫れになり、痛みが激しくショック症状を起こして溺れてしまうこともあります。

刺されたことがある方はご存知かも知れませんが、刺された痕もかなり長い間残りますよね。

経験者の私は、考えるだけも鳥肌が立ちます。

※クラゲに刺された痕

クラゲに刺されたと思ったらすぐに岸へ上がりましょう。

「お盆過ぎたら海にはいっちゃいけんよ」と、よく聞くと思います。

アンドンクラゲという種類のクラゲは、お盆の時期に大量発生するクラゲで、強い毒を持ちます。

昨今の温暖化の影響で水温が高い状態下では、お盆の時期よりも発生が早まる可能性もあり注意が必要です。

なるべくクラゲネットが設置してあるビーチで遊泳するようにしましょう。

また、最近では日焼け止めとクラゲ予防が一緒になったローションもあります。

 

ガンガゼ


出典元:NPO法人黒潮実感センター

ウニの仲間のガンガゼの特徴は20cm以上もある長いトゲ。

トゲの内部に毒があり、トゲが刺さると皮膚下に針が残り、激痛が走ります。

このトゲは、ちょっと触れただけでも刺さりやすく、ウェットスーツをも貫通するほどの威力を持っています。

更に問題なのは、この針、鋭く体に刺さりやすいのですが、折れやすいという特徴も持っています。

体内で折れやすいってことです。

体内で折れた場合、病院で切開しないと取れないケースもあります。

夜行性で昼間は岩の隙間などにいるので、むやみに岩の間に手や足を入れないようにしましょう。

痛みは徐々に引いていきますが、大量に刺さると呼吸困難やしびれや麻痺などを引き起こす場合もあります。

アカエイ


出典元:WEB魚図鑑

本州から九州あたりで広く生息しているアカエイには、尾の真ん中辺りに毒針があり、大人でも死に至ることもある猛毒です。

トゲには返しがついていて、抜けにくい構造になっています。

下痢や発熱、不整脈、ショック症状などを引き起こします。

また、毒の影響で細胞が壊死、手や足を切断せざるを得ないこともある恐ろしい毒です。干潟や人工海浜、浅瀬の砂の中に潜っていたりと、意外と身近に潜んでいる可能性があるので気を付けましょう。

上記以外にも、最近やたらと耳にするサメの出没など、海で遊ぶのが怖くなるような危険な生物が沢山潜んでいます。

 

対策・予防方法

予防のために、足元にはビーサンやマリンブーツ、手にはマリン用のグローブ、ラッシュガードを着るなどしてなるべく肌の露出を防いだりしましょう。

触手が刺さりにくく、毒の注入もされにくくなります。

応急処置用の消毒や、トゲを抜くためのピンセットも用意しておくといいかもしれません。

用心するに越したことはないですからね。

ライフセイバーがいる環境なら相談し、応急処置をしたら、病院へ向かいましょう。

なによりも、海の生き物に出会った時には、むやみに触らないようにすることが一番です。

 

油断していると危険な岩場

海水浴場によっては、砂浜だけでなく岩場のあるような場所もあります。

岩肌は海の波に削られ鋭くとがっている箇所もあり危険です。

さらに、亀の手という、岩にぎっちりくっついている貝や、フジツボという貝は意外と尖っているので、そういった貝類を踏んでしまったり、波などで岩場に打ち付けられたときに、ぶつかってケガをしてしまうことがあります。

ケガをしたら、雑菌などが傷口から入り込んでしまうこともあるので注意が必要です。

なるべく露出の少ないよう肌を保護したり、岩場を歩く時には、厚目のゴム靴やマリンシューズを履いたりして、ケガをしないように気を付けましょう。

 

油断大敵、遊泳時の熱中症

陸上で運動したりしているときには、熱中症に気を付けて水分を摂ったりする人は多いと思いますが、盲点は水中で遊んでいる時です。

水中に入っているときは、体温が上昇していることに気が付きにくいので、熱中症対策がおろそかになるのです。

熱中症は、気温、湿度が高く、激しい運動をしたり、長時間日光を浴びるとなる症状で、海の中にいても同じです。

特に海辺には、日差しを遮るものがなく、日陰が少ないです。

楽しい海遊びに夢中になっていると、いつの間にか熱中症になってしまうかもしれません。

熱中症の症状は、めまいや立ちくらみ、こむら返り、頭痛、吐き気、倦怠感など。

重症になると高体温やけいれん、意識がなくなることも。

こまめに陸へ上がり、塩分、ミネラルの入っているスポーツドリンクなどで水分補給をしておきましょう。

 

紫外線対策はバッチリと


※たった数時間でこんなことに 

お肌の老化現象にも影響している紫外線

ちなみにあの真っ赤になって痛くなる現象は、やけどと同じ状態です。

日ごろから、紫外線対策はちゃんとしているという方、海辺の紫外線を甘く見てはダメですよ。

海水からの照り返しと、砂浜からの照り返しで、街の中にいるときよりも、紫外線量はとても多くなっています。

照り返しがあるので、パラソルの下にいるからといっても安心できません。

簡易式のテントなどの方がまだマシかもしれませんね。

日焼け止めは2時間おきくらいに塗り直し、しかもまんべんなく塗りましょう。

耳やうなじ、髪の毛用の日焼け止めスプレーもあるので活用しましょう。

身体の背面側も忘れずに。

身体の前面ばかり塗って、身体の裏面が真っ赤になってしまった、なんてことになりますよ。

ただ、日焼け止めは肌に結構負担のかかるもの。

日焼け止めを塗りたくることに抵抗がある方、いらっしゃると思います。

最近では、飲むタイプの日焼け止めも販売されているので、併用してみるのもいいですね。

 

目を離さないで!小さなお子様


ご家族で海水浴場へ行かれるという方に特に注意していただきたいのが、お子様から決して目を離さないで、ということです。

好奇心旺盛な子供たちは、すぐにあっちこっち行ってしまうもの。

ちょっと目を離したすきに、前述のような怖い生き物に、興味本位で触ろうとしているかもしれません。

お子様がけがをしていないか、体調の変化がないかどうかをこまめに診てあげましょう。

また、離岸流などに流されていないかも、常にチェックする必要もあります。

また、浮き輪などを使用しているお子様もよく見かけますが、浮き輪をしたまま海に飛び込み、浮き輪から身体が抜けて溺れてしまったケースや、波などでひっくり返って逆さま状態になったりと、意外と危険が伴う道具でもあります。

浮き輪のサイズが、お子様に合っているか、チェックもしっかりとして、安全な遊び方をするようにしましょう。

 

ゴミは責任持って持ち帰りましょう


出典元:山口県HP

実は、私が一番言いたかったのはこれです。

海水浴シーズンによくニュースになる、困った問題、そう、ゴミ問題です。

ひとりひとりのマナーやモラルに関わり、ひいては地球全体の環境汚染にも繋がりかねない問題です。

ひどい人は、海水浴場の近隣住宅の庭先に、ゴミを投げ込んで帰る人もいるそうです。

心が痛いですね。

海にゴミが流れて行った場合、どうなるでしょうか。

プラスチックなどのゴミは、漂流するうちに粉々になっていき、毒性を吸着しやすいマイクロチップというものになります。

そのマイクロチップを魚などが食べ、その魚たちを私たち人間が食べるのです。

また、皆でワイワイとバーベキューをして過ごすのはとても楽しいですが、そのあとの始末はきちんとできていますか?

その日出たゴミをバーベキューの火で燃やしたり、バーベキューの灰をその場に捨てて帰ったり。

炭は土へは帰らない物質です。

中には火のついた状態で砂浜に埋める人もいます。

絶対に止めましょう。

炭専用の捨て場所があれば、そこに捨てましょう。

捨て場所がない場合には、「火消しツボ」というキャンプ用品があるので、それを利用したり、水を入れたバケツに炭を入れるなどして、きちんと持ち帰りましょう。

それができないのであれば、バーベキューセットの貸し出しからゴミ捨て、後始末までしてくれるショップを利用してください。

夏の風物詩である花火。

夜の海でしたくなるのは分かりますが、まず、花火が許可されている場所なのかどうかを確認しましょう。

時間帯で規制されている場所もあるので気を付けてください。

そして、花火をした際には、火の始末をちゃんとして、ゴミは必ず持ち帰るようにしましょう。

また、近隣に住宅がある場合、騒いだり大きな音の出る打ち上げ花火などは、とても迷惑がかかります。

そういった配慮も大事ですよね。

海のレジャーの騒音やマナーの悪さによっては、色んな規制が敷かれることもあります。

せっかくの夏を楽しく過ごせる場所なのに、これではもったいないですよね。

来た時よりもきれいにして帰りましょう。

ひとりひとりがマナー、モラルを守り、山口の海を、そして、日本全国の海を大切にしましょう。

 

まとめ

今までの内容を聞いて、なんだか海へ行くのが怖くなった、という方もいらっしゃるかもしれませんが、こういった危険があるということを知っておくだけで、まさにその状況になったときにより良い対応ができますよね。

身近に潜んでいる生物が危険な毒を持っていたり、大人でも足元をすくわれる波があったり。

でもこれって、私たちにはどうにもできないことです。

地球という自然の中に、私たちが住まわせてもらっているんですから。

その恩返しではないですけど、海や自然を少しでも汚さないように、ということも心がけながら、夏のレジャーを楽しみましょう。

 

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