山口県の特産品<工芸・民芸品編>

山口県の代表的な工芸品

国の伝統的工芸品である、「萩焼(はぎやき)」「大内塗(おおうちぬり)」「赤間硯(あかますずり)」をはじめ、山口県を代表する伝統的工芸品を紹介します。

萩焼(はぎやき)

国の伝統的工芸品に指定されている「萩焼」は、慶長9年(1604年)に開窯されたのが始まりで、お茶に使用する茶器を中心に発展し、明治、大正時代頃から、茶陶以外の、置物やネックレスなど、用途幅広く作られるようになりました。

原料の土には、防府市で採れる「大道土(だいどうつち)」や、「見島土(みしまつち)」が使用され、柔らかく、吸水性のあるものに仕上がります。

一見、シンプルで味気ないように見える萩焼ですが、よく見ると、細かいヒビのような模様があるのが分かります。

これは「貫入(かんにゅう)」というもので、原料の陶土に釉薬(ゆうやく)を混ぜることによって生じます。この貫入から、お茶などの成分がしみこんでいき、茶器を使っていくうちに、ゆっくりと色味が変化していきます。

これを「萩の七化け」と呼ぶそうで、この変化を楽しむのも、萩焼の醍醐味といえます。

大内塗(おおうちぬり)

室町時代に、山口で栄えた「大内文化」。中でも、特に力を入れていた漆工芸は、重要な輸出品でした。

そんな大内文化の中で「大内塗」は繁栄し、現在では、国の伝統的工芸品に指定されていて、色あせせず、いつまでもツヤのある美しさが保たれるのが特徴です。

大内塗の代表的な図柄「大内文様」は、大内朱の地塗りの上に、色漆で秋草の模様を描き、金箔でかたどった「大内菱」という菱形の家紋を貼ります。

大内塗には、椀や箸、盆などの漆器類が多いですが、「大内人形」という、丸っこくて可愛らしい人形もあります。

やさしい笑顔にほっこりできる大内人形は、男女一対になっており、夫婦円満の象徴とも言われ、お土産としても人気があります。

また、「大内ひな」というひな人形も、とても可愛らしい作品です。

赤間硯(あかますずり)

宇部市の北部で採掘される、「赤間石」を原料として作られる赤間硯は、鎌倉時代からの歴史を持つ、国指定の伝統的工芸品です。

原料の赤間石は、職人自らが採石するそうで、並々ならぬこだわりを感じられます。材質は硬く、粘りがあるため彫刻がしやすいのが特徴で、美しく彫刻を施した硯は、墨をするだけではなく、観賞用として飾っておくだけでも存在感があります。

金魚提灯(きんぎょちょうちん)

赤と白の体色、揺れる大きなしっぽ、黒く大きな目をした、愛嬌のある顔。柳井市のシンボルにもなっている、金魚提灯です。

幕末の頃、青森のねぶたを参考に作られたのが始まりで、夏祭りの際には、灯りをともした提灯を持った子供たちで賑わいました。現在でも、8月には「柳井金魚ちょうちん祭り」が開催され、大きな金魚ねぶたなどが練り歩きます。

柳井市の古市金屋地区に残されている江戸時代の「白壁の街並み」は、観光スポットとして人気があり、その軒先には、一年中金魚提灯が泳いでいます。

徳地和紙(とくぢわし)

山口市の無形文化財である徳地和紙は、鎌倉時代から作られている手すきの和紙で、原料には、繊維が太く長く、丈夫な和紙ができる「楮(こうぞ)」、繊維が細く短い「三椏(みつまた)」、粘りを出す「とろろあおい」などが使用されています。

原料を蒸して皮をむく、煮る、冷水に浸してあくを抜く、手作業で残った外皮などの屑を取り除く、ほぐす、とろろあおいを加える、すく、乾かす、といった、沢山の工程を踏み、良質な和紙が出来上がります。

便箋やはがきはもちろん、コースターやバッグ、名刺などの、様々な製品にもチャレンジしている徳地和紙。

和紙作り体験ができる施設もあるので、是非参加してみてください。

 

エリア別山口県の工芸品

【西部】

赤間硯

楠製硯
住所:〒757-0214 山口県宇部市大字西万倉岩滝775番地
電話:0836-67-0628

 

【北部】

萩焼

 

雅萩堂
住所:〒758-0057 山口県萩市堀内258-37
電話:0838-25-8111
URL:https://gashudo.jimdofree.com/
画像引用:雅萩堂HPより

萩焼

萩焼窯元 椿秀窯 萩陶苑(しゅうとうえん)
住所:〒758-0061 山口県萩市大字椿3775
電話:0838-22-2441
URL:http://www.hagiyaki.co.jp/
画像引用:萩焼窯元 椿秀窯 萩陶苑HPより

土鈴

有限会社 民芸くらもと
住所:〒754-0511 山口県美祢市秋吉町秋吉614
電話:0837-62-0208
URL:https://mingeikuramoto.jimdofree.com/
画像引用:有限会社 民芸くらもとHPより

 

【中部】

萩焼

山口萩焼ヤマトズギャラリー
住所:〒753-0001 山口県山口市宮野上2419-2
電話:083-929-3150
URL:https://ywebg.com/
画像引用:山口萩焼ヤマトズギャラリー オンラインショップより

 

大内塗

有限会社 中村民芸社
住所:〒753-0214 山口県山口市大内御堀4138
電話:083-927-0619
URL:https://nakamuramingeisha.jimdo.com/
画像引用:有限会社 中村民芸社HPより

 

大内人形

谷口漆香堂(しっこうどう)
住所:〒753-0231 山口県山口市大内氷上7丁目8-12
電話:083-927-1871

 

大内人形、萩焼

長州物産株式会社
住所:〒753-0095 山口県山口市木町1-6
電話:083-925-5850
URL:http://www.choshuen.co.jp/

 

徳地和紙

千々松和紙工房
住所:〒747-0522 山口県山口市徳地島地613-1
電話:0835-54-0328
URL:https://tokudiwashi.jimdofree.com/
画像引用:千々松和紙工房HPより

 

【東部】

金魚提灯

(有)大阪賞文堂(白壁店)
住所:〒742-0022 山口県柳井市柳井津452
電話:0820-22-1878
URL:http://www.sirakabe.com/sirakabeten.html
画像引用:(有)大阪賞文堂HPより

 

まとめ

古くから山口県に伝えられる、伝統工芸品の一部をご紹介しました。

山口県の自然素材を使用し、職人のこだわりと、技術により作られる工芸品。伝統や技術を引き継ぎ守りながらも、現代に沿った新たな加工品を生み出し、進化を続けています。

是非手に取って、質や風合い、手触りを体感してみてください。ご自宅用はもちろん、お土産品としてもおすすめです。

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